システムを二次電池で運用するためには、適切な蓄電容量を決定する必要があります。少なすぎれば必要な運用時間を満たせませんし、大きすぎればコスト・サイズ・重さの観点で無駄が生じます。
負荷に必要な電力を見積る
負荷に必要な電力(エネルギー)は、その負荷電圧をV、負荷電流をA、運用したい時間をTとしたとき、W = V * A * T
により求めることができます。
例えば、5V 0.1Aの負荷を10時間運用したい場合には、5V * 0.1A * 10h = 5 Wh となります。単位はワット時です。
太陽光発電などの蓄電システムを検討する場合には、少なくともこの容量以上の蓄電素子を選定しなければなりません。
また、二次電池の種類によっては完全放電すると使えなくなる電池もあるため、一般的には負荷容量ギリギリで設計することはありません。例えば鉛蓄電池では負荷容量の2倍-3倍程度を見積もって選定します。
以下に、蓄電の規模別に、よくあるアプリケーションや電池の選定についてまとめます。
0.1Wh以下
0.1Whは、5V 1mAを20時間連続して放電できるエネルギーに相当します。この規模では、連続ではなく間欠的に起動するアプリケーションも多く、その場合には数日~数週間の運用が可能です。蓄電素子としては超小型の二次電池セルのほか、スーパーキャパシタが用いられます。